そろばんや暗算をやめたあと、暗算力を落とさない方法
せっかく身についた暗算、やめたらもったいない…と思っている方へ。
暗算力は使わないと薄れる。でも週 3〜5日、1回 5〜10分続ければ保てる。大事なのは長さより「間を空けないこと」と「今の力に合った問題」。やめたあとの最初の 1か月で続け方を決めると、何年かたっても戻しやすい。
なぜ薄れるか
珠算式の暗算は、目に見えないそろばんの上で珠をはじく計算。この「珠の像」は、毎日見て動かしているあいだはくっきりしているが、使わない日が続くと少しずつぼやける。最初に落ちるのは速さと桁の多い問題。1けたのたし算のような基本は長く残る。
だから目標は「上達」ではなく「像を消さないこと」。それなら 1回 5分でも足りる。しくみは暗算ができるようになるしくみ。
今の力を 5分で測る
やめた直後に 1回、その後は月に 1回。同じ問題で比べる。
- やめたときの級の見取暗算(またはフラッシュ暗算)を 10問
- かかった時間と正解数を書いておく
- 正解 9問以上 → いまの級で続ける/7〜8問 → 桁か口数を 1つ減らして続ける/6問以下 → 級を 1〜2つ下げて、2週間で戻す
「前はできたのに」と子どもが落ちこむときは、正解数ではなく時間の記録を見せる。数字が少しずつ戻るのが見えると、子どもは続けやすい。
やめ方ごとの続け方
そろばん教室をやめた子
実物のそろばんが家にあるなら、それがいちばんの道具。週 3日、見取算 5問+見取暗算 5問で十分。級の目安は教室で最後に取った級。検定を受け直したくなったら、同じ団体の検定を個人で申し込めることが多い(団体・地域による)。
タブレットやアプリで暗算を習っていた子
そろタッチ(公式サイトでは推奨 5〜8歳。タブレットの珠で習い、J・S・U・X 各 12 の 48 ステージ)のように、画面の珠で習った子は、暗算の力はあっても実物のそろばんに慣れていないことがある。続けるだけなら画面でもよいが、あとで教室や検定に進むなら、実物で珠を動かす日を週 1〜2回入れておく。
もう 1つ気をつけたいのが級の読みかえ。アプリや教室が独自の段階(そろタッチのステージなど)を使っていると、「Uコースまで終わった」「○段階まで終わった」が検定の何級にあたるか分からない。段階の名前ではなく、解けていた問題の形で見る。
| 解けていた問題(見取算・かけ算) | 級の目安 |
|---|---|
| 1けた 7口、または 2けた 5口の見取算 | 10級前後 |
| 2けた 10口の見取算、2けた×2けたのかけ算 | 7級前後 |
| 4けた 10口の見取算、3けた×3けたのかけ算 | 5級前後 |
| 5けた 10口の見取算、4けた×3けたのかけ算 | 3級前後 |
公開されている珠算検定の出題例に沿った目安。団体ごとに桁数・口数・時間がちがうので、受ける団体の問題で確かめる。くわしくは級と検定の種類。
受験・部活で休む子
やめるのではなく「減らす」。週 2〜3日・1回 5分、フラッシュ暗算か見取暗算だけ。朝の支度の前や、塾の前の 5分に決めておく。受験の計算でも桁の多い計算が速くなるので、休ませるより残したほうが得になることが多い。
落ちてしまったときの戻し方
| やめていた期間 | 戻し方 | 戻るまでの目安 |
|---|---|---|
| 1か月くらい | 同じ級で、はじめの 1週間はゆっくり | 1〜2週間 |
| 3〜6か月 | 級を 1〜2つ下げる。実物のそろばんで珠を動かす日を入れる | 1か月 |
| 1年以上 | 見取算(実物)からやり直す。暗算は 1けた 2口から | 2〜3か月 |
戻すときにいちばんやってはいけないのが、前の速さでいきなり解かせること。まちがいが続くと「もうできない」と思って、そこで本当にやめてしまう。ゆっくり正確に戻してから速さを上げる。目安は続かないときの手立て。
続けるための道具
- 実物のそろばん+プリント:いちばん安い。問題の丸つけは親か子ども自身。
- フラッシュ暗算のアプリやサイト:1回 3分で済む。暗算だけ続けたい子に向く。
- 級ごとに問題が出る練習サイト:記録が残るので「月1回測る」が自動になる。下の級が登録なしでずっと無料のもの(そろばんキングダムの 20〜16級など)もある。検定の級の形に合わせて出題するものだと、あとで検定に戻るときに迷わない。
どの道具でも、続くかどうかを決めるのは良いそろばん学習の条件のうち「毎日短く続く」と「記録が残る」の 2つ。
よくある質問
一度身についた暗算は一生残りますか?
基本は長く残るが、速さと桁の多い計算は使わないと落ちる。大人になって何年も使っていなくても 1けたの暗算はできる人が多い一方、大会レベルの速さは練習をやめるといちばん早く落ちる。
週1回まとめて 30分やるのと、毎日 5分と、どちらがよいですか?
毎日 5分(少なくとも週 3日)。記憶は日をまたいでくり返すほうが残る。週1回だと、毎回前の分を思い出すところから始まる。
子どもがもうやりたくないと言っています。
無理に続けなくてよい。ただ「やめる」と決める前に「週 2回・5分だけ」を 1か月試す価値はある。暗算を学校の算数や受験で使う場面を見つけると、自分から続ける子も多い。
そろタッチなど、タブレットで習った暗算は、実物のそろばんの暗算と同じですか?
どちらも頭の中の珠を動かす点は同じ。ちがうのは指の使い方。検定は実物のそろばんで受けるので、検定を目指すなら実物に慣れる期間(1〜2か月くらい)を見ておく。
読むだけより、手を動かすほうがずっと早く身につきます。そろばんキングダムの 20〜16級は登録なしでずっと無料で、スマホでもパソコンでもすぐできます。
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