先生向け:生徒のまちがい方を見る方法
○× だけでは、生徒がどこでつまずいたか分からない…と感じている先生へ。
まちがいは「計算のまちがい」ではなく「珠の動きのまちがい」として見る。型は主に 4つ:5の友(5の分解)、10の友(くり上がり・くり下がり)、桁のずれ、読み・書き写し。答えの ○× だけでは型が分からないので、まちがえた問題を 1問その場で珠を再現させる。同じ型が 3回続いたら、その型だけ 5問出す。
4つの型と見分け方
| 型 | 答えのずれ方 | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| 5の友(5の分解) | 一の位が 1〜2 ずれる。答えが 5 前後をまたぐ問題で出る | 4 + 3 で「5 を入れて 2 を取る」が「3 を取る」→ 6 | 5 を使うたし算・ひき算だけ 5問。実物で指を見る |
| 10の友(くり上がり・くり下がり) | 10 の倍数でずれる(10 多い・10 少ない)。一の位は合っていることが多い | 6 + 7 で十の位に 1 を入れ忘れ → 3 | くり上がりだけ・くり下がりだけの問題を分けて 5問 |
| 桁のずれ | 10倍・100倍ずれる。かけ算・わり算で多い | 23 × 4 の答えを 1つ右に置く → 920 | 定位点を声に出して確認。桁数のちがう問題を混ぜない |
| 読み・書き写し | 珠は合っているのに答えがちがう。6 と 9、1 と 7 | 珠は 691、答え 619 | 珠を読み上げてから書く。問題は指で押さえて読む |
手順:1問再現・3回ルール
- まちがえた問題を 1問、その場で珠を動かして見せてもらう。途中で手が止まったところが型。答えの ○× だけでは分からない。
- 同じ型が 3回続いたら、その型だけ 5問。 1回のまちがいは集中の切れ。3回続けばくせ。
- 1週間後に同じ型を 3問出して、消えたか見る。消えていなければ、級を 1つ下げてその型が出る問題を増やす。
見てはいけないもの
- 速さ。速い子ほど 5の友を飛ばす。まず正確に。
- 合計点。 80点の中身が「10の友だけ 2問」なら直すのは 1つ。「4つの型が 1問ずつ」なら級が高すぎる。
- 「不注意」。不注意と片づけると直せない。4つのどれかに必ず入る。
記録のつけ方
そのまま使える 1枚は印刷できるまちがい観察シート(生徒 20人分・記号と答えに出やすい形つき)。
生徒 × 型の表を 1枚作り、授業ごとに正の字で数える。紙で十分。1か月見ると「この子は 10の友だけ」「この子は読み」と分かれ、宿題の先頭の 3問をその型にできる。人数が 20人を超えて手が回らないなら、答えから考えられる珠のまちがいを図で出して型ごとに数える道具(そろばんキングダムなど)に記録をまかせる。
暗算のまちがいは別に見る
暗算のまちがいは、珠の型に加えて「像が途中で消えた」がある。3けた 5口の 4口目で急に答えが崩れるなら、像の持ち時間が足りない。桁か口数を 1つ下げる。
良いそろばん学習の条件の 1つは「まちがい方が見えること」。○× の数ではなく、型が減っていくことを見る。
よくある質問
速さと正確さ、どちらを先に見ますか?
正確さ。正解率 9割で級を上げ、速さは検定の前に制限時間で測る。速さを先に求めると 5の友を飛ばすくせがつく。
生徒が多くて 1人ずつ再現させる時間がありません
授業の最初の 10分を「前回まちがえた 1問を隣の子と再現し合う」にする。先生は手が止まった子だけ見る。それでも足りなければ、まちがい方を自動で記録する道具を使い、先生は「要フォロー」の子だけ見る。
保護者にまちがい方をどう伝えますか?
「計算ミス」ではなく「くり上がりの珠を入れ忘れるくせがあります。今週はそれだけ直します」と型で伝える。親は家で教えなくてよく、子どもは責められない。
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