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そろばんで暗算ができるようになるしくみ(珠の像)

「そろばんの子はなぜ頭の中で計算できるの?」の答えです。

目をとじてもそろばんが見えていて、その上で珠をはじく ——これがそろばん式の暗算。だから数を言葉ではなく「形」であつかう。脳の画像研究では、熟達者は暗算のとき言葉の領域ではなく視空間の領域(頭頂葉)を使う。この「珠の像」ができるまでに、実物のそろばんで半年〜1年。そのあと桁が増えていく。

ふつうの暗算と何がちがうか

ふつうの暗算は筆算を頭の中でする。「7 たす 8 は 15、1 くり上がって……」と言葉で進むので、桁が増えると覚えておけなくなる。珠算式暗算は珠の位置を見て動かすだけで、言葉を使わない。だから 3けた × 10口のような計算でも途中を覚える必要がない。

3つの段階

  1. 実物で指が自動になる。 5の友(2 を足すときに 5 を入れて 3 を取る)、10の友(くり上がり・くり下がり)を考えずに指が動くまで。ここがいちばん長く、半年〜1年。
  2. 珠を見るだけで計算する。実物のそろばんを置いて、指を動かさずに目で珠を動かす。まだ実物が手元にある安心感がある。
  3. 見ないで計算する。頭の中のそろばんだけ。最初は 1けた 2口から。フラッシュ暗算(数字が短く出て消える練習)はこの段階の練習。

研究が示していること

像がくずれるとき

家でできること

  1. 実物で正確に解けることを先に(速さは後)。
  2. 珠を見るだけで解く日を週に 1〜2回入れる。
  3. 見ないで解くときは 1けた 2口から。フラッシュ暗算も 1けた 2口・ゆっくりから。
  4. まちがえたら「どの珠で止まったか」を見る。答えの ○× だけでは像のどこが崩れたか分からない。答えから考えられる珠のまちがいを図で出す道具(そろばんキングダムなど)は、ここで手がかりになる。

良いそろばん学習の条件は「まちがい方が見えること」と「級の段階が細かいこと」。珠の像は、その 2つがあって初めて崩れずに育つ。

よくある質問

学校の筆算と混ざりませんか?

入門のうちは混ざることがある。とくにくり上がりを筆算で考えてしまう子は、そろばんの 10の友が自動になるまで実物を使う。像ができたあとは、学校の筆算は筆算、暗算は珠、と自然に分かれる。

暗算ができるようになるまで何年かかりますか?

1けた〜2けたの暗算は半年〜1年。3けたの見取暗算は 2〜3年。毎日 10分の家の練習があるかどうかで、この期間は 2倍ちがう。

大人でも珠の像はできますか?

できる。ただし子どもより時間がかかることが多い。大人は筆算の習慣が強く、言葉で計算しようとするため。実物で指を自動にする段階を飛ばさないことが大事。

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